– 巻線とは

巻線(まきせん)は、電磁誘導によって発生する磁力線を利用する為に、電線を巻いたものです。またインダクタンス(巻線などにおいて電流の変化が誘導起電力となって現れる性質)を利用する為に、電線を巻いたものをコイル(インダクタ)と言い、この時に巻かれた電線を巻線と呼ばれます。

この巻線を使った一番簡単なものが、小学校の理科の実験等で作る電気磁石です。鉄心に電線を巻いて電気を流すと鉄心が磁石になります。
一般生活で一番多く使われているのがモーターですね。今では自動車(ハイブリッド車・EV車・その他全ての車)、冷蔵庫、クーラー、扇風機、パソコン、・・・小さい物でしたら、携帯電話や腕時計(電池式)に使われています。
また、大きい物ですと水力・火力・原子力などの発電所の発電機や風力発電機や発電所から送られて来た電気を受取る変電所の大型の超高圧・高圧変圧器(トランス)や電信柱に乗っている、家庭用や工業用の中小型の中低圧変圧器(トランス)が有ります。

巻線は裸銅線に絶縁材料を被覆させて作ります。
使用される絶縁被覆材料から大きく分けて、線材に絶縁材料を塗って焼付けるエナメル線(塗装線・焼付線)と線材に紙、フイルム、糸などを巻いて絶縁被覆さす方法です(横巻線とも言う)。
また、線材の形状から丸線と平角線に別れ、使用線材はおもに銅線とアルミ線です。
巻線は絶縁被覆材、線材の形状、線材をその使う用途で組み合わせて製造します。
通常、低圧小型から超小型にはエナメル丸銅線を使いますし、低圧中小型には紙巻等の平角銅線やアルミ線が使われています。また新しい材料のノーメックスやカプトンなどが使われています。
また大きな発電所や変電所で使われているのは、紙巻平角銅線がほとんどです。